コミュニケーション
テレビで
京都の吉兆のことをドキュメントで放映していました。バブル崩壊とともに急降下した売り上げを取り返すのに必死になったという物語でした。そのヒントを得るために、料理長でありながら襖の陰でお客様の反応や話を必死に聞く姿は、彼の売り上げに対する執念と吉兆への愛着を感じることができました。
お客様の年齢が若返っていくことに比例して単調な和食の味を変え、お酒もビールや日本酒からワインに変わっていくことでワインにあう味への変化を探っていったという、本当に挑戦だと思います。まさに、料理の作り手とお客様の間のコミュニケーションを図っていました。
その上、コミュニケーションは料理長とスタッフの間でも十分に行われていました。圧巻は、お肉しか食べられないという外国人のお客様が、食事の途中でジャガイモは大丈夫ということを仲居が聞きつけ、その情報を料理長に伝えることで後半の料理にジャガイモを加えていった姿は、スタッフ間の信頼関係と職人的である料理長のお客様を大切にすることの象徴だったように思えます。いったん決めたことを変更することは気持ちの面でも事務的にも、躊躇してしまうことですが、天下の吉兆の料理長が行うことにその大切さを感じました。
私たちの仕事にこれでよいということはありません。あくまでもお客様が決めることであって、しかも、お客様は日々変化します。その変化についていくには、簡単なことです。お客様に聞くこと。~just do it !~